世界のナベアツの巻

ジャリズムを熱烈に支持するひとたちというのが関西方面にはいて、関東の人間からするとちょっと過剰評価じゃないかと思うようなところがあって、それはたとえば千原兄弟などもそうなのだけれど、面白いことは面白いがダウンタウンに比べたらずいぶんスケールが小さいじゃないか。ダウンタウンよりもなにか凌駕しているものがあるのか。と、ケチをつけることはたやすいのだけれど、考えてみれば巨大なるダウンタウンと比べてしまうのも酷な話である。ダウンタウンは別格であって、むしろダウンタウンフォロワーとしての好ましさのほうが優る部分もあるのではないか。と、反省。いや、この話はでかくなるのでいずれまた別の機会にしましょう。
なにはともあれ、世界のナベアツです。そんな理由でジャリズムはそれほど熱心に追ったことはなく、それを若干、後悔してもいるわけだが、昨年末から今年にかけての世界のナベアツの急激な活躍ぶりはとにかくもう素晴らしくて素晴らしくてしびれっぱなしで、3の倍数と3がつく数字のときだけアホになるという、まぁ、ほかにもいくつかネタはあるけれども、おもにひとつのネタだけでみるみる認知されていく痛快さ。茂木健一郎三谷幸喜のようなひとたちが賛辞を贈ることにまで発展する勢いにはなんとも心躍るものがあるではないですか。
3で刻むリズムはすなわち三段落ちのリズムであるが、そこに、3がつく数字を加えてあるのがこのネタの巧妙な点で、10番台に入ってからのリズムに変化が産まれて飽きさせず、さらに、30番台すべてでアホになってしまうという仕掛けにより、小さいリズムと同時に大枠でのリズムも作られ、最後の40で平常に戻って締める、じつに鮮やか。スマート。紳士的な。さらに、8の倍数のときに気持ち良くなるという条件を加えれば、10以下の数字で40の約数で3との公倍数がなかなか出てこない数字であるから8はベストの選択に思え、アホと気持ち良くなるの両立を演じきる技量も見事。5の倍数で犬っぽくなるもしかり、8のつぎにベストと言えましょう。いやはや、笑いの歴史のなかで、未だかつてこれほど数学的に美しい構造をもったネタはあっただろうか。是非、「誰でもピカソ」あたりに出演して、世界の北野の感想をうかがいたいところであります。ナベアツ、万歳!

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